保育中にカッとなり、感情のまま子どもを怒ってしまい後悔した経験はありませんか?心当たりのある保育士は、「怒り」をコントロールするアンガーマネジメントについて学びましょう。
今回の記事では、アンガーマネジメントの考え方ややり方を解説します。子どもや保護者、同僚との関係をスムーズにするスキルを身につけて、毎日の保育に役立てましょう。
関連記事として子ども向けのアンガーマネジメントは↓をご参照ください。
アンガーマネジメントは心理トレーニングの1つ
心理トレーニングの1つであるアンガーマネジメントとは、怒りの感情を上手にコントロールするための手法です。怒りは自分を守るための感情と考えられ、一次感情が発生した後に感じる二次感情といわれています。そのため、カッとなってしまう理由を理解し、根本にある感情に気がつけると、感情を上手に扱えるようになります。
怒りの感情にマイナスなイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、怒りは困難に打ち勝つエネルギーとなるケースもあるため、一概に悪いものとはいえません。反対に、イライラを無理に抑え込もうとすると、ストレスが溜まり、心のバランスを崩してしまう可能性もあります。
まずは自分自身の感情と向き合うことがアンガーマネジメントを始めるうえで重要といえます。
アンガーマネジメントは保育士の「強み」になる
自分と相手の価値観の相違で、イライラを感じ、感情的になってしまう場面もあるでしょう。しかし、アンガーマネジメントのやり方を覚えれば、以下のメリットが得られます。
- 人間関係のストレスが減る
- 小さな出来事にイライラしない
- 自分と向き合える
自分の感情と上手く付き合えれば、広い視野を持って相手と接することができます。コミュニケーションも円滑にとれるため、人間関係が良好になり、結果的にストレスが軽減され、生産性も向上します。
怒りのポイントを把握してアンガーマネジメントを始めよう!
怒りのタイプは6つに分類されます。それぞれの特徴は以下、表の通りです。
| 公明正大 | 正義感が強いマナー・ルール違反をする人に対してイライラする |
| 博学多才 | 完璧主義者で、自分にも他人にも厳しい他人のミスを責めがち |
| 威風堂々 | 自分に自信があり、プライドも高い思った通りにならないとカッとなる |
| 外柔内剛 | 内に秘めた思いが強い注意されたり、まわりが自分と違うやり方をしたりすると、怒りが湧く |
| 用心堅固 | 自分とまわりを客観視できる比較して妬みや怒りを抱えやすい |
| 天真爛漫 | 自分の気持ちをストレートに伝えたい自由に発言できない場面にイライラする |
自分のタイプがわかると、コントロールするコツがつかみやすいでしょう。
さらに詳しく知りたい方は「一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会」のホームページをチェックしてください。
5種類のアンガーマネジメントのやり方
アンガーマネジメントは、主に以下5種類のやり方があります。
- はじめの6秒間をやり過ごす
- 自分の怒りを点数化して記録する
- 「すべき」といった考えを手放す
- 物事に対する視点を変える
- メッセージの主語を変える
それぞれの手法を詳しく解説します。
①はじめの6秒間をやり過ごす
怒りの頂点は6秒と考えられ、この6秒間は感情的な言葉遣いや態度をとってしまう可能性が高くなります。怒りを感じてからの6秒間をやり過ごせれば、冷静に対応できるようになるでしょう。
気持ちを落ち着かせるには、深呼吸をしたり、別のものに意識を向けたりするのが効果的です。
②自分の怒りを点数化して記録する
怒りを感じたときの出来事を点数化して記録しておけば、自分がどのような場合にイライラするのか分析可能です。
怒りの感情が湧きやすいパターンを理解しておくと、怒りの原因を回避したり、対処法を考えたり、事前に対策を打てます。また、自分の感情を客観視できるようになり、自己理解も深まります。
③「すべき」といった考えを手放す
人はそれぞれ異なる価値観を持っていて、自分の価値観を元にした「こうすべきだ」といった考えにこだわる傾向があります。他人に対しても、自分の価値観に当てはめて判断し、怒りを感じるケースもあります。自分の価値観はあくまで自分だけのものと考えましょう。
また、保育についての考え方は、保育士の経験や知識によって異なります。適切な言葉がけや対応も、子どもやシーンによって変わるでしょう。
保育士同士、お互いの価値観を擦り合わせる気持ちが大切です。どうしても譲れない価値観以外は、少しずつ許せる範囲を広げていくと、怒りを感じにくくなります。
④物事に対する視点を変える
人は自分の価値観やこだわりで怒りを感じるケースが多いため、視点を変えるのも効果的です。相手の立場に立って物事を見ると、相手に共感でき、苛立ちや怒りが和らぐ可能性もあります。
例えば、大人から見れば無鉄砲で危険な行動も、子どもの視点から見ると、理由がある場合が少なくありません。子どもが行動した理由が理解できれば、怒るのではなく、別の方法で伝えられます。
視点を変えるコツは、自分の好きなキャラクターや芸能人だったら、どのように考えるか想像する方法があります。繰り返し行えば、自分の行動を客観視できるようになるでしょう。
⑤メッセージの主語を変える
怒りをコントロールするには、メッセージの主語を変える方法も有効です。
「あなたはどうして危ない行動をするのだ」の主語は相手です。しかし「私はあなたがケガをしないか心配だ」と主語を自分に変えると、怒りではなく心配の感情からくるメッセージに変わります。
主語を変えると、自分の怒りの根本にある感情の理解にもつながるでしょう。また、怒りや不満をそのまま伝えるのではなく、自分は相手にどうしてほしいのかを伝えるのも効果的です。
まとめ
怒りの感情は悪いものではなく、無理に抑え込むより上手に付き合うと考えた方がストレスになりません。
子どもの行動に怒ってしまうと感じる方は「なぜ、子どもの行動にイライラするのか」「どのような場面で怒りを感じているのか」を改めて考えましょう。怒りの原因がわかれば、それに合わせた対処法を考えられます。
怒りを上手に扱えれば、余裕を持って子どもと向き合えるようになり、これまで以上に保育が楽しくなりますよ。
Q&A
Q.アンガーマネジメントとはどのようなものですか?
A.自分の怒りと上手に付き合うための方法です。
Q.怒りをマネジメントするコツはありますか?
A.6秒間やり過ごす、自分の怒りを数値化して記録する、「すべき」といった考えを手放す、物事に対する視点を変える、メッセージの主語を変えるといった方法があります。

