座っていられない子が複数人いると対応に悩むケースもあるでしょう。しかし、叱ったり、無理に座らせたりするのは効果的ではありません。落ち着いて過ごせない理由があると考え、園児にとって快適に過ごせる環境をつくりましょう。
本記事では、座っていられない子の特徴や原因、対応のポイントについて紹介します。座っていられない子の対応にお困りの保育士はぜひ参考にしてください。
座っていられない子の対応は難しい?特徴を解説
座っていられない子は、主に以下の特徴が見られます。
- みんなと同じ時間座っていられない
- いつも動き回っている
- 保育士の話を聞かない
- 決められたルールを守れない
- やりたいことが次々変わる
保育士は1人で複数人の園児を見るため、補助の保育士がいなければ個別対応が難しい場合もあります。座っていられない園児が動き回り、怪我をする可能性もあるでしょう。
そのため、早期に対策を立て、園児が安全で快適な生活を送れるようにする必要があります。
座っていられない子の対応は原因の明確化が重要
座っていられない子が動いてしまう原因を考えてみましょう。保育をするうえで、園児の行動一つひとつの原因を探るのは、適切な対応を行うために必要な過程です。
ここでは座っていられない子が動いてしまう主な原因を2つご紹介します。
1.個性や環境による影響
落ち着いて座っていられず1人で動き回ってしまうのは、その子の性格や個性である可能性があります。「カラダを動かすのが好き」「やりたくないことを避けたい」「自分が思った通りにしたい」などの気持ちを上手に表現できていないケースも多いため、会話ができる年齢なら本人に確認してもよいでしょう。
また、愛情不足やプレッシャー、環境の変化などで落ち着きがなくなるケースもあります。気になる変化を振り返るとともに、保護者にヒアリングして座っていられない背景を探りましょう。
2.ADHDやASDなど発達障害の可能性
多動や注意欠如がみられる場合、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの可能性も考えられます。しかし、保育士が自己判断するのは好ましくありません。
これらの発達障害は専門家に診断してもらう必要があるため、まずは園での様子を観察し、客観的に記録しておきましょう。必要であれば保護者に様子を伝え、支援センターや保健センターなどに相談するよう促してください。
座っていられない子への5つの対応
園児や保護者の意見を尊重したうえで、個別での対応方法を検討するのは大変な仕事です。ここからは、座っていられない子への対応方法を5つご紹介します。
座っていられない原因を探りつつ、対応方法を一つひとつ試し、園児ごとに適切な対応を見つけましょう。
1.保育室や園内の環境を見直す
環境による多動がある場合、保育室や園内の環境を見直して刺激を減らせば、落ち着いて座っていられる可能性があります。保育室内に興味のあるものをたくさん置かない、園児の目線の高さに目移りするものを収納しないなどの工夫を行いましょう。
また、収納スペースが限られている場合は、おもちゃや絵本に布をかけるなどして園児の目に入らないようにするだけでも効果的です。
2.自由遊びは運動をメインにする
座っていられない子、落ち着きのない子のなかには、じっとしているよりカラダを動かしている方が好きな子も多くいます。そのような子は、保育室内の環境を見直してもカラダを動かしたくなるでしょう。
カラダを動かすのが好きな子には、自由遊びの時間に運動遊びを取り入れると効果的です。運動は多動を落ち着かせるだけでなく、体幹を鍛えたり、体力づくりをしたりとプラスに働くため、積極的に運動する習慣をつけるとよいでしょう。
3.椅子の足元にシールを貼って足を置いてもらう
卒園式や発表会など、椅子に座っていなくてはいけない場面もあるでしょう。また、徐々に座っていられる時間を延ばすためにも、着席の習慣作りが大切です。
習慣作りのポイントは、椅子の足元にシールを貼って、そこに足を置いてもらうことです。園児に説明し、ルールとして定着させると習慣化しやすくなります。目標時間を設定し、着席できていれば褒めて、達成感を味わってもらうと楽しく習慣化できるでしょう。
4.時間を短く区切って過ごす
大人でも長時間集中し続けるのは苦痛です。小さな子どもの場合、集中できる時間は年齢+1分くらいといわれ、保育園に通う園児であれば、約4~7分で集中力は切れてしまうでしょう。
時間を短く区切って、こまめに休憩を入れる対策で集中力を養えます。40分で行う製作の場合でも、10~15分ごとに区切り、トイレ休憩や水分補給をはさむなどの工夫を行いましょう。集中力が続かず座っていられない子には効果的な方法です。
5.ゴールを決めてわかりやすく伝える
どのくらい座っている必要があるのか、今の活動はいつまで続くのか明確でないと集中力が低下し、落ち着きがなくなってしまう子もいます。活動の前にゴールを設定し、園児に分かりやすい言葉で伝えておきましょう。
可能であれば園児にゴールや目標を決めてもらうのも効果的です。活動の流れを伝えたうえで「どこまで終わらせたら休憩したい?」と尋ね、園児の考えに寄り添いましょう。
まとめ
座っていられない子には共通の特徴があります。また、動きたくなる原因は園児によってさまざまです。園児1人ひとりと向き合い、座っていられない原因を探ったうえで適切な対応を検討しましょう。
対応の例としてご紹介した内容を参考に、これからの保育にぜひ活かしてくださいね。
Q&A
Q.1発達面での心配がある場合、保護者へどのように伝えるとよいですか?
A.1保護者には園での様子を正確に伝え、協力して保育・育児していけるようにお声がけしましょう。保護者が不安に感じるようなら、早期に支援を受ければ園児も生活しやすくなると伝え、発達面の支援を行っている相談窓口を紹介するのも1つの手です。
Q.2補助の保育士をつける必要はある?
A.2補助の保育士をつけるか、つけないかは、園の方針や保護者との話し合いにより決定します。各自治体の基準に従い「加配制度」を利用する方法もあります。補助が必要なのか園児の様子をみながら、慎重に判断をしましょう。
