もう迷わない!保育園での感染症対応ガイド~登園許可書と登園基準を徹底解説~

保育園では、日々の活動の中で感染症に対する適切な対応が求められます。その中で「登園許可書(医師の意見書)が必要な感染症ってどれだっけ?」「登園基準ってどうだったっけ?」と迷うことはありませんか?本記事では、感染症の分類や対応基準に加えて、保護者との情報共有や協力を得るためのポイント、現場ですぐに実践できる感染症対策を紹介します。

集団生活における感染症の拡大防止を目的に、医師の意見書や登園届の使用が推奨されていますが義務付けではありません。

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感染症対応の基本を理解しよう

保育園で感染症に対応する際に重要なのは、感染症の種類とその特性を正しく理解することです。感染症は、その重症度や感染力によって分類され、それぞれの対応方法も異なります。たとえば学校保健安全法では出席停止措置が必要な感染症を第一種、第二種、第三種に分類しています。

第一種感染症とは?

感染症法の一類または二類に分類されている感染症です。日常生活の中で滅多にかかるような感染症ではありませんが、例としてエボラ出血熱や痘そう、南米出血熱、ペスト、SARSなどが挙げられます。

第二種感染症とは?

飛沫感染する病気の中でも特に子どもが感染しやすい感染症です。インフルエンザや百日咳などが挙げられます。

第三種感染症とは?

症状に応じた柔軟な対応が求められ、学校や保育園では流行を広げる可能性があります。

【感染症の分類別】登園許可書の要否・登園基準

「いつから登園していいのか」という質問は保護者からよく寄せられます。そして電話で保護者から子どもが感染症だったと報告を受けた時、園から登園許可書(医師の意見書)を依頼するべきか判断に迷うことはありませんか?そこで、第一種から第三種までの感染症分類に基づき、登園許可書の要否や登園基準を表形式で整理しました。

第一種感染症の登園許可書と登園基準

感染症名登園許可書登園基準主な注意点
エボラ出血熱必要完治まで不可極めて稀、厳重な対応
新型インフルエンザ必要完治まで不可公衆衛生上の重大な危険

第二種感染症の登園許可書と登園基準

感染症名登園許可書登園基準主な注意点
流行性角結膜炎
(アデノウイルス)
必要結膜炎症状消失手洗い励行
麻しん(はしか)必要解熱後3日経過最も感染力が強い
風しん必要発疹消失後妊婦への感染リスク
水痘(水ぼうそう)必要発疹が痂皮化かゆみ対策
流行性耳下腺炎
(おたふくかぜ)
必要耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現後5日経過かつ全身状態が良好合併症に注意
結核必要医師が感染リスクなしと判断長期的経過観察
咽頭結膜熱
(プール熱)
(アデノウイルス)
必要主要症状消退後2日経過目・鼻・喉の症状
百日咳必要特定抗菌薬で5日間治療後乳幼児は重症化リスク
インフルエンザ必要発症後5日経過かつ解熱後3日経過二次感染予防
腸管出血性大腸菌
(O157,O26,O111等)
必要医師が感染リスクなしと判断食品衛生管理徹底、二次感染予防
新型コロナウイルス必要発症後5日経過かつ症状軽快後1日経過マスク・手洗い徹底

第二種感染症については保護者に登園許可書(医師の意見書)を依頼するケースが多いので、覚えやすいゴロをつくってみました。

朝風呂プールで百人角耳、院長ころり!

あさぶろプールでひゃくにんかくみみ、いんちょうころり
  • あさぶろ → 麻(ま)しん + 風呂(風しん)
  • プール → 咽頭結膜炎(プール熱)
  • ひゃくにん → 百日咳
  • かく → 流行性角結膜炎
  • みみ → 流行性耳下腺炎
  • いん → インフルエンザ
  • ちょう → 腸内出血性大腸菌
  • ころり → コロナウイルス(新型)

第三種感染症の登園許可書と登園基準

感染症名登園許可書登園基準主な注意点
溶連菌感染症不要抗生剤投与開始後1~2日経過し、主要症状消失心臓合併症に注意
マイコプラズマ肺炎不要発熱・咳症状改善長引く咳に注意
ウイルス性胃腸炎不要嘔吐・下痢症状消失脱水症状に警戒
ヘルパンギーナ不要発熱・口内症状改善水分補給
手足口病不要発熱・口内症状改善手洗い徹底
RSウイルス不要呼吸器症状改善乳児は重症化注意
帯状疱疹不要発疹が痂皮化未罹患者への感染注意
突発性発疹不要解熱、全身状態良好発疹の経過観察

※第三種感染症に分類される感染症は医師による登園許可書は不要ですが、医師の診断を受け保護者が記入する登園届が必要になります。

保護者との情報共有:しっかりとした説明と協力のお願い

感染症対応では、保護者との連携が不可欠です。説明不足が誤解を生むこともあるため、明確で簡潔な伝え方を心がけましょう。

登園基準を伝える際のポイント
  • 曖昧な表現を避ける(例:「症状が軽ければ」ではなく、「解熱後24時間以上」など具体的に)
  • 感染症ごとに家庭での注意点も併せて伝える。
登園許可書(医師の意見書)が必要な場合のお願い方法
  • 感染拡大防止・子どもたちの安全のために必要であることを強調する
  • 保護者が疑問を持った場合に備え、地域の保健所や医師のガイドラインを紹介

保育士ができる感染予防対策

感染症を広げないためには、日常的な予防策が鍵を握ります。保育現場では特に実践的で継続可能な対策が求められます。

実践例
  • 手洗いの習慣化:手洗い歌やステッカーで楽しく学べる工夫を
  • おもちゃの定期的な消毒:高頻度で触れるものから優先的に消毒
  • 空気の循環:換気時間を保育スケジュールに組み込む

まとめ

本記事では、保育士が感染症対応に迷わないための具体的な情報をお届けしました。登園許可書の要否や登園基準を正確に理解し、現場での対応力を高めることで、子どもたちが安心して過ごせる保育環境を作りましょう。

参考文献
保育所における感染症対策ガイドライン
学校保健安全法