保育園の個人懇談は、保護者と保育士が1対1で子どもについてじっくり話し合える大切な時間です。保護者との距離をぐっと縮め、保護者との信頼関係を築くチャンスでもあります。本記事では個人懇談のねらいや保育士が話すこと・聞くことをまとめています。また厚労省のデータを基に、懇談会で保護者から聞かれる質問を想定・その対応方法を解説していきます。ただし一番大事なことは、保育士の立場から保護者の気持ちに寄り添い、子どもの成長を一緒に支えたいという姿勢や気持ちを伝えることです。付け焼き刃な対応にならないよう注意しましょう。
個人懇談のねらい
保育園の個人懇談の主なねらいは以下の通りです。
個人懇談で話すこと&聞くこと
懇談中に話すことや聞くことは、各園で概ね決まっていることが多いです。職場の同僚や先輩と確認しながら事前にリストを作ったり、園児ごとにレジュメを作成しておくとよいでしょう。以下は個人懇談で話すこと・聞くことの一例です。
個人懇談でよく聞かれる質問とは?
「保育所等における子育て支援の在り方に関する研究会報告書のデータを基に、保護者が子育てについてどんな悩みや不安を感じているか見ていきましょう。子育てについて話を聞く頻度が高い項目は、個人懇談で聞かれる可能性が高いといえます。

子育てに関して、①~⑱のような話をどの程度の頻度で聞くことがあるかをみると、「よくある」「まあよくある」を合わせた割合は、「②子どもの食事に関する不安がある(好き嫌い、食事の量、アレルギーなど)」が 75.9%で最も割合が高く、ついで「⑧子どもが言う事を聞かない(イヤイヤ期、赤ちゃん返り、かんしゃくなど)」が 72.3%、「①子どもの生活リズムがきちんとつくれていない(睡眠時間や起床時間、夜泣き等)」が 64.6%となっています。
- 子どもの食事に関する不安がある(好き嫌い、食事の量、アレルギーなど)
- 子どもが言う事を聞かない(イヤイヤ期、赤ちゃん返り、かんしゃくなど)
- 子どもの生活リズムがきちんとつくれていない(睡眠時間や起床時間、夜泣き等)
個人懇談で想定されるQ&A
保護者から想定される質問とそれに対する答え方をQ&A形式でまとめました。
1. 食事に関すること
好き嫌いが多い

好き嫌いが多くて家では野菜食べません。

「○○ちゃんは最近、少しずつ新しい食材にも挑戦できています。好き嫌いもありますが、園ではみんなと一緒に楽しく食事をしているので、食事を楽しむことができる雰囲気づくりを心掛けています。
- 子どもの成長を伝え、保護者が安心できるようにする
- 他児と比較しない
- 食事を楽しむ環境を大切にしていること(園方針)を伝える
箸の持ち方について

箸の持ち方がなかなか上手になりません。

箸は指先の細かい動きが必要なので、時間がかかることもあります。○○ちゃんも少しずつ慣れてきていますが、無理に矯正するよりも、楽しみながら練習することが大切です。例えば、遊びの中で指先を使うおもちゃや、食事中に褒めながら少しずつ正しい持ち方を意識させるといいかもしれません。
- 少しずつ練習していくことが大切であることを伝えつつ、家庭でできる具体的な工夫をアドバイス
- 子どもの年齢に応じた発達の目安を説明すると、保護者の安心感につながる
2. 子どもの行動に関すること
イヤイヤ期

2歳になった途端にイヤイヤ期に突入、言うことを聞かなくて困っています。

イヤイヤ期は、子どもが自分の意志を持ち始める成長の証でもあります。少し時間をおいたり、子どもの気持ちに寄り添ってあげると、その後スムーズに話を聞いてくれることが多いです。
- イヤイヤ期が子どもの成長の一環であることを保護者に伝える
- 具体的なアドバイスを伝える
- 園での様子を伝え保護者に安心してもらう
かんしゃく

最近、かんしゃくがひどいんです。どう対処いたらいいかわからない。

確かにかんしゃくの対応は大変ですよね。ただ子どもにとっては自分の気持ちをコントロールする練習の一環です。○○ちゃんの場合、感情が高ぶった時には一度落ち着く時間を作って、その後に話を聞いてあげると効果的です。
- 保護者の大変さに共感し、保護者が抱える不安に寄り添う
- かんしゃくも成長過程の一部であり、重要な学びの機会であることを保護者に伝える
- 具体的で実践的なアドバイスをする
3. 生活リズムについて
睡眠時間①

夜の寝つきが悪くてどうすればいいでしょうか?

○○ちゃんは、園では規則正しく過ごしていますが、夜の寝つきが少し遅いようですね。朝は少し早めに起こして、昼間はたくさん体を動かすと夜もスムーズに眠れるかもしれません。
睡眠時間②

朝起きるのが遅くて困っています

朝の起床時間を少しずつ早めるようにしてみてはいかがでしょうか。園でも早起きを習慣づけることで、○○ちゃんの生活リズムが徐々に整ってくると思います。
- 園での生活リズムが整っていることを伝え保護者に安心を与える
- 具体的な方法を提案し、ご家庭で実践できる対策を伝える
- 保護者が前向きな気持ちを持てるよう配慮
データを活用して、より良い保護者対応を

厚労省の調査データを活用すると、保護者が抱える悩みの傾向が見えてきます。たとえばトイレトレーニングに関する悩みも多く、「うちの子はまだうまくできない…」と心配する保護者が多いことがわかります。そんなときは、園での取り組みを伝え、家庭でも同じように進められるやり方を提案するのもよいでしょう。日々の保護者対応にも大いに役立つので調査データはフル活用しましょう。
まとめ
個人懇談は、子どもの成長を保護者と一緒に共有するための大切な時間です。また保護者の不安に寄り添ったり、疑問や要望に丁寧に対応することで、保護者とより良い関係を築くことができます。日々の保育業務で忙しい毎日ですが、懇談に向けてしっかり準備を進めていきましょう。


