日本の伝統行事に触れる機会の多いお正月は、子どもたちに昔からの風習や文化を伝える絶好のチャンスです。1月の保育に「お正月の遊び」を取り入れて、家庭では経験することが少なくなった伝承遊びの楽しさを子どもたちに伝えられるといいですね。
今回は、保育園で楽しめるお正月遊びを5選ピックアップしました。お正月遊びを保育に取り入れるねらいや遊びの由来、保育への取り入れ方もご紹介します。冬休み明けの保育にぜひ活用してください。
お正月の遊びを保育に取り入れるねらい
古くから伝わるお正月の遊びには、新年を迎えた喜びや良い年を願う気持ちが込められています。お正月遊びを家庭で行う機会は減っていますが、以下のようなねらいを決めて保育に取り入れていきましょう。
- お正月遊びに込められた意味や日本の伝統文化・慣習を知る
- 普段とは異なる遊びをとおして、お正月の風情や雰囲気を味わう
- お正月遊びに親しみを持ち、次の世代へと伝承する
伝統文化やお正月への興味関心が高められるように、保育園で積極的にお正月遊びを行っていきたいですね。
保育園で楽しめるお正月の遊び5選
数多くあるお正月遊びのなかでも、保育に取り入れやすく、子どもたちが楽しみやすいお正月の遊びを5点選びました。遊びの由来や意味、保育への取り入れ方をそれぞれご紹介します。
お正月遊びの代表「羽根つき」
お正月遊びといえば羽根つきが真っ先に思いつく方も多いでしょう。羽根をつくと「邪気や災いをはねよける」と考えられ、新春の厄除けに女の子から親しまれてきた遊びです。
羽根には「無患子(むくろじ)」という植物の実が使われていたため、「子どもが患わない縁起物」として羽子板を贈る風習もあります。絵本などで本物の美しい羽子板を見せてあげると、さらに興味が高まりそうですね。
「羽根つきをすると悪いものを追い払えるんだよ」と声をかけながら、子どもたちと段ボールや牛乳パックで羽子板を手作りしてみましょう。うちわで風船を打ち合う遊び方なら、低年齢児でも取り組みやすいですよ。
昔も今も子どもは風の子「凧揚げ」
古来の中国で占いや戦いの道具として使われていた凧は、江戸時代に庶民の遊びとして広まりました。凧には子どもの健やかな成長が祈願され、空高く上がるほど元気に成長できるといわれています。
「昔の人は、子どもが元気に大きくなれるように願って凧揚げをしていたんだよ」と伝えて、元気よく凧揚げに取り組んでもらいたいですね。
保育園で本格的な形の凧で遊ぶのは難しいため、ビニール袋で凧を手作りしましょう。レジ袋の持ち手に紐をつけて走りながら紐を長くのばしていけば、レジ袋の凧が高く上がります。
ただし、凧に気を取られてお友だちと衝突する事故が起こりやすい点や、ビニール袋を頭からかぶってしまわないよう袋のサイズにも注意が必要です。
みんなで笑い合える「福笑い」
福笑いの起源は不明ですが、出来上がった面白い顔を見てみんなで笑い合えるため、「笑う門には福来る」を願ってお正月に遊ぶようになったといわれています。縁起物である「おかめ」や「ひょっとこ」の顔を使って、より大きな新年の幸福を祈願します。
なかには、上手に顔を作れずにがっかりしてしまう子もいるかもしれません。「目を閉じているからどうしても変な顔になるんだよ」「できあがった顔を見ていっぱい笑うと良い1年になるんだよ」と、どんな顔になっても大丈夫と伝えていきましょう。
周囲の子どもたちが「もっと上」など誘導すると盛り上がります。乳児は目隠しなしでも楽しめますよ。
できた!の達成感が味わえる「コマ回し」
奈良時代に中国から高麗を経て伝わったコマは、江戸時代に子どもたちの遊びとして広まりました。真っ直ぐと芯が通って回り続ける姿は、物事が円滑に回る・お金が回る縁起物と考えられています。「くるくる回り続けるコマみたいに、今年も1年順調に過ごせるといいね」と話しながらコマ回しを楽しみたいですね。
3歳児までは指で軸をひねって回す「ひねりゴマ」、もっとチャレンジしたい子には紐を巻きつけて回転させる「投げゴマ」に挑戦してもらいましょう。投げゴマを習得するために、時間をかけて取り組む保育園もあるようです。出来るようになった達成感は、子どもの成長に大きくつながるでしょう。
字が読めなくても楽しめる「坊主めくり」
鎌倉時代の歌人・藤原定家が選出した100首の和歌を集めたものが百人一首です。その絵札だけを使って行う坊主めくりは、字が読めない保育園児にも楽しめます。十二単のお姫様や刀を持ったお殿様など、日本古来の雅な世界観が子どもの心に印象深く残るでしょう。
山札から1枚ずつ札を引き、男性(お殿様)ならそのまま自分の手札、僧侶(お坊さん)なら手札をすべて捨て、女性(お姫様)なら捨てられた札をすべてもらうのが基本ルールです。
勝ち負けはすべて運次第。最後に起こる大逆転に子どもたちは夢中になってしまいます。保育士も一緒になってスリルを楽しめる遊びです。
まとめ
家庭で楽しむ機会が減っているお正月の遊びは、次の世代へ受け継ぐためにも積極的に保育に取り入れたいものです。
子どもも大人も一緒になって楽しみ、笑って新年を迎えられるのがお正月遊びの魅力です。伝統的なお正月遊びが子どもの記憶に残るように、一緒に笑い合える幸せを子どもたちと共有しながら楽しんで取り組んでくださいね。
Q&A
Q.お正月遊びはいつ行うとよいですか?
A.一般的には1月15日くらいまでの期間をお正月と呼びます。保育園では年末年始の休み明けに行うケースが多いです。室内でできるお正月遊びであれば、1月中の外に出られない日の室内遊びとして活用できます。
Q.お正月の遊びを保育園で行うときの注意点はありますか?
A.遊びに夢中になりすぎてまわりが見えなくなるケースがあるかもしれません。遊ぶための広いスペースを確保したり、しっかりとルールを守る約束をしたりと、事前に準備しておきましょう。
