【研修担当者向け】園内研修の進め方とポイント

園内研修は保育士同士が学び合い、保育の質を向上させる大切な機会です。しかし日々の業務に追われる中で研修が形骸化してしまい、参加者のモチベーションが低いことも少なくありません。だからこそ研修担当者は計画的に、かつ効果的な研修を実施することが求められます。本記事では、園内研修の目的やテーマの選び方、研修参加者の気づきを引き出すための工夫について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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園内研修の目的

園内研修には次のような3つの目的があります。日々の業務に追われていると、研修が形だけのものになってしまいがちです。目的は必ず意識しておくべきです。

①共通理解を深める

園全体で「どのような保育を目指すのか」という共通認識を持つことが重要です。保育方針や指導計画について意見交換することで、職員間の意識の違いを埋めていきます。

②保育の見直し

「わかっているつもり」「理解しているつもり」になっている内容を、あらためて学び直す機会になります。(例:養護って?教育って?5領域とは?)

③実践力の向上

保育環境の構成方法や言葉がけなど、具体的な技術を学ぶことで、日々の保育に活かせるスキルが身につきます。

研修テーマの選び方

効果的な研修には、適切なテーマの設定が欠かせません。研修の目的ごとにいくつかのテーマを列挙します。

①共通理解を深める研修テーマ

  • 園で育てていきたいことは?
  • どんな保育を目指す?
  • どんなかかわりを大事にすべきか
  • 指導計画の立て方に関する意見交換

②保育の見直しに係る研修テーマ

  • 保育要領や指針にはどのように書かれているか
  • 発達障害の特性や子どもへの対応方法
  • 感覚統合って?
  • 心肺蘇生法の方法
  • 子どもがお漏らしした時の対応
  • AEDの使い方

③実践力の向上に係る研修テーマ

  • 子どもの理解、子どもの遊びの理解の向上
  • 子どもとの関わり(援助・言葉がけ)の向上
  • 環境構成の方法や遊びを見通していく力の向上
  • 遊び・活動の展開を見通す力の向上

気づきを促す研修にするために

研修の成果を高めるためには、参加者の気づきを引き出す工夫が大切です。

①気づきの共有

付箋やホワイトボードを使い、保育士一人一人の意見や考えを見える形にすることで、参加者全員が情報を共有しやすくなります。

②対話型の研修

一方的な講義形式ではなく、ペアワークやグループワークを取り入れ、互いの意見を引き出しましょう。上司と部下の間でありがちな、指導⇔指導されるという形式はNGです。

③前向きな雰囲気づくり

研修を通じて視野や考え方が広がるという明るい見通しが持てるようにします。研修を終えて「さっそく実践でやってみよう!」と思えるポジティブな研修を実施することが大切です。

時間別の研修

忙しくてなかなか研修の時間を作れない園も多いのではないでしょうか?以下は時間別の研修実施方法です。

①短時間研修(15-30分)

まずは15分という短時間の研修から気軽にスタートしてみましょう。

例)子どものどんな姿を育てていきたい?
  1. 保育士4~5人で1つのグループをつくる
  2. 付箋に3~5つ書き出す(1枚の付箋に1つ)
  3. 書き終えたら、それを使って他の保育士と話し合う
    ①:自分の付箋を見ながら説明する
    ②:大きな模造紙に付箋を貼っていきながら、似たものをグループにしていく
    →保育士間で共通理解を深める機会になる

②1時間研修(シリーズ型研修)

1時間の研修時間が確保できる場合は、1つの研修テーマを分割してグループワークを複数回実施します。

例)子どものどんな姿を育てていきたい?
  1. 「どんな姿を育てていきたい?」の意見交換(15分)
  2. 「そのためにどんなことをしている?」の意見交換(15分)
  3. 「そもそもなぜ、その姿を育てていきたいのか?」の意見交換(15分)
  4. 「育てていきたいことを、5領域で整理する」(15分)

研修担当者は研修の目的が何か、どのような意識を持てれば研修の目的が達成されるのかを考えて、グループワークで投げかける問いを事前に考えておきます。問いに対するグループワークを積み重ねることで、研修参加者の気づきが広がりやすくなるからです。

まとめ

園内研修は、保育士一人ひとりのスキルアップだけでなく、園全体の保育方針や価値観を共有する場でもあります。研修を通じて新たな気づきを得たり、保育士同士で意見交換を行うことで、日常の保育がより豊かなものになっていきます。また、前向きな雰囲気で進行する研修は、参加者のモチベーション向上にもつながります。小さな工夫からでも取り入れて、保育士が「もっと学びたい」「さっそく実践したい」と思える研修を企画しましょう。