年齢別の発達過程を解説!子どもの発達の特性をおさえよう

子どもの発達過程

保育士は子ども一人ひとりの発達過程に応じて、見通しを持って保育を行うことが求められます。そのためには子どもの発達の特性とその道筋を理解しておくことが重要です。本記事では保育所保育指針を参考に、年齢別の発達過程の特性を解説します。

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発達過程の8区分

保育所保育指針では、子どもの発達過程は8つに区分されています。子どもが辿る発達の道筋や順序には共通性があり、年齢別の発達の特性を知っておくことが重要です。ただし子どもの成長は個人差が大きく、保育士として子ども一人ひとりの発達に応じた適切な援助、環境構成を行うことを忘れてはいけません。

おおむね6か月未満

保育所保育指針

誕生後、母体内から外界への急激な環境の変化に適応し、著しい発達が見られる。首がすわり、手足の動きが活発になり、その後、寝返り、腹ばいなど全身の動きが活発になる。視覚、聴覚などの感覚の発達はめざましく、泣く、笑うなどの表情の変化や体の動き、喃語などで自分の欲求を表現し、これに応答的に関わる特定の大人との間に情緒的な絆が形成される。

だんだんと人に対する基本的信頼感が芽生えていく時期です。子どもが示す行動や欲求に、身近な存在である保育士が応えてあげることで、愛着関係がつくられていきます。

  • 首が座る
  • 目の前のものをつかむ
  • 手足の動きが活発になる
  • 手を口にもっていく
  • 音や声がする方を見るようになる
  • 感情を訴えて泣く

おおむね6か月から1歳3か月未満

保育所保育指針

座る、はう、立つ、つたい歩きといった運動機能が発達すること、及び腕や手先を意図的に動かせるようになることにより、周囲の人や物に興味を示し、探索活動が活発になる。特定の大人との応答的な関わりにより、情緒的な絆が深まり、あやしてもらうと喜ぶなどやり取りが盛んになる一方で、人見知りをするようになる。また、身近な大人との関係の中で、自分の意思や欲求を身振りなどで伝えようとし、大人から自分に向けられた気持ちや簡単な言葉が分かるようになる。食事は、離乳食から幼児食へ徐々に移行する。

離乳食を食べる男の子

運動面の発達、特に一人歩きによって自由に移動できることを喜び、好奇心が旺盛になる時期です。自分が行きたいところに行ける!という満足感が発達の原動力となっていきます。

  • 座る→はう→立つ→つたい歩き→ひとり歩きへと移行
  • 身近な人の顔が分かり、あやしてもらうと喜ぶ
  • 人見知りが始まる
  • 離乳食から幼児食への移行
  • 食べ物に手を伸ばして食べるようになる
  • 一語文を話す

おおむね1歳3か月から2歳未満

保育所保育指針

歩き始め、手を使い、言葉を話すようになることにより、身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけていく。歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。その中で、物をやり取りしたり、取り合ったりする姿が見られるとともに、玩具等を実物に見立てるなどの象徴機能が発達し、人や物との関わりが強まる。また、大人の言うことが分かるようになり、自分の意思を親しい大人に伝えたいという欲求が高まる。指差し、身振り、片言などを盛んに使うようになり、二語文を話し始める。

この時期の発達の大きな特徴の1つは歩行の開始です。自分の意志で自分の体を動かすことができるようになり、「自分でやりたい」という意欲が生活の様々な場面で発揮されていきます。

  • 一人歩きをする
  • 指差し、身振りを使ったり二語文を話す
  • 友だちや周囲の人への興味関心が高まる
  • 他の子どものしぐさや行動を真似する
  • 玩具の取り合いや相手に対する拒否、簡単な言葉で不満を訴える

おおむね2歳

保育所保育指針

歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。それに伴い、食事、衣類の着脱など身の回りのことを自分でしようとする。また、排泄の自立のための身体的機能も整ってくる。発声が明瞭になり、語彙も著しく増加し、自分の意思や欲求を言葉で表出できるようになる。行動範囲が広がり探索活動が盛んになる中、自我の育ちの表れとして、強く自己主張する姿が見られる。盛んに模倣し、物事の間の共通性を見いだすことができるようになるとともに、象徴機能の発達により、大人と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しむようになる。

ボールで遊ぶ子ども

個人差はありますが自我が大きく芽生え始める時期です。自我の育ちを周囲の大人が受け止めてあげることで、子どもたちは自信を持つようになります。

  • 食事や衣類の着脱、排泄など身の回りのことを自分でしようとする
  • 自己主張する
  • 思い通りにいかないと泣いたり怒ったりする
  • 基本的な運動機能が伸び、自分の体を思うように動かすことができる
  • 紙をちぎったり破いたり、なぐり描きをする
  • ボールを蹴る・投げる
  • 自分がやりたいことに集中する
  • ごっこ遊びをする

おおむね3歳

保育所保育指針

基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる。自我がよりはっきりしてくるとともに、友達との関わりが多くなるが、実際には、同じ場所で同じような遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びであることが多い。大人の行動や日常生活において経験したことをごっこ遊びに取り入れたり、象徴機能や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性が見られるようになる。予想や意図、期待を持って行動できるようになる。

靴下を履く子ども

基本的な生活習慣がある程度自立できるようになる時期です。「なんでも自分でできる」という意識が芽生え、大人の援助を拒むことが多くなります。自分の意志で行動しようとすることは、子どもの主体性を育み、意図をもって行動したり自分の生活を律していくことにつながります。

  • 歩く、走る、跳ぶ、押す、引っ張る、投げる、転がるなどの基本的な動作が一通りできるようになる
  • 食事・排泄・衣類の着脱などある程度自立できるようになる
  • 理解できる語彙数が急増
  • 「おはよう」「ありがとう」など人と関わる挨拶の言葉を自分から使う
  • 場を共有しながらそれぞれ独立して遊ぶ
  • 周囲への関心や注意力、観察力が伸びる
  • 絵本の簡単なストーリーが分かるようになる

おおむね4歳

保育所保育指針

全身のバランスを取る能力が発達し、体の動きが巧みになる。自然など身近な環境に積極的に関わり、様々な物の特性を知り、それらとの関わり方や遊び方を体得していく。想像力が豊かになり、目的を持って行動し、つくったり、かいたり、試したりするようになるが、自分の行動やその結果を予測して不安になるなどの葛藤も経験する。仲間とのつながりが強くなる中で、けんかも増えてくる。その一方で、決まりの大切さに気付き、守ろうとするようになる。感情が豊かになり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の気持ちを抑えられたり、我慢ができるようになってくる。

はさみを使う子ども

友だちと自己主張をぶつけ合い、悔しい思いを経験しながら相手の主張を受け入れたり、自分の主張を受け入れてもらったりする経験を積み重ねていく時期です。子どもの社会性を育て、子どもの自己肯定感や他者を受容する感情を育んでいきます。

  • 全身のバランスをとる能力が発達し、片足跳びをしたりスキップができるようになる
  • 手先が器用になり、ひもを通したり結んだり、はさみを使えるようになる
  • 異なる2つの行動を同時に行えるようになる
  • 水、砂、土、草花など身近な自然環境に興味をもち関わろうとする
  • 想像力が豊かになる
  • ごっこ遊びに没頭する
  • 競争心が産まれ喧嘩が多くなる
  • 仲間とのつながりを深めていく

おおむね5歳

保育所保育指針

基本的な生活習慣が身に付き、運動機能はますます伸び、喜んで運動遊びをしたり、仲間とともに活発に遊ぶ。言葉により共通のイメージを持って遊んだり、目的に向かって集団で行動することが増える。さらに、遊びを発展させ、楽しむために、自分たちで決まりを作ったりする。また、自分なりに考えて判断したり、批判する力が生まれ、けんかを自分たちで解決しようとするなど、お互いに相手を許したり、異なる思いや考えを認めたりといった社会生活に必要な基本的な力を身に付けていく。他人の役に立つことを嬉しく感じたりして、仲間の中の一人としての自覚が生まれる。

自分のことだけでなく、人の役に立つことが嬉しくて誇らしく感じられるようになる時期です。年下の子どもの世話をしたりするようになり、相手の心の立場を気遣える感受性を持つようになります。

  • 生活に必要な行動のほとんどは自分でできる
  • 人の役に立つことが嬉しい
  • 心肺機能が高まり、鬼ごっこなど集団遊びで活発に体を動かす
  • 先を見通しながら目的をもった活動を友だちと行う
  • 主張のぶつかり合いや喧嘩が起きても、自分たちで解決しようとする
  • 相手を許したり、異なる考えを認める
  • 遊びを発展させる
  • 自分たちでルールを作る

おおむね6歳

保育所保育指針

全身運動が滑らかで巧みになり、快活に跳び回るようになる。これまでの体験から、自信や、予想や見通しを立てる力が育ち、心身ともに力があふれ、意欲が旺盛になる。仲間の意思を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を生かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる。思考力や認識力も高まり、自然事象や社会事象、文字などへの興味や関心も深まっていく。身近な大人に甘え、気持ちを休めることもあるが、様々な経験を通して自立心が一層高まっていく。

様々な経験や対人関係の広がりから自立心が高まる時期です。小学校就学への意欲や期待が高まっていきます。

  • 全身運動がなめらかになり、ボールをつきながら走ったりできるようになる
  • 自分のイメージしたように描いたりダイナミックな表現をしたり、細やかな製作をする
  • 友だちの主張に耳を傾け、共感したり意見を言い合う
  • 自分の主張を一歩譲って仲間と協調する
  • ごっご遊びを発展させた集団遊びが活発に行う

まとめ

本記事では保育所保育指針をベースに発達過程を年齢別に解説しました。保育士として、年齢別の特性を理解することは、日々保育で向き合う子どもたちの理解を深めることに直結します。保育士として子どもが自ら発達していく力を認め、その姿に寄り添いながら、子どもたちの可能性を引き出していきましょう。


参考:保育所保育指針解説書/厚生労働省