保育士の働きやすさは人間関係で決まる!働きやすい職場づくりの課題と工夫を紹介

保育士には子どもたちの成長や発達を支える大きな責任があります。しかしその職務を円滑に進めるうえで欠かせないのが、職場の人間関係です。同僚や上司との関係がうまくいかない、コミュニケーションが不足している、そう感じたこともありませんか。職場の人間関係は保育士の皆さんが抱える悩みの一つかもしれません。本記事では職場の人間関係に焦点を当て、その重要性や課題、解決する方法について解説します。

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職場を辞めた理由(保育士編)

図は東京都が実施した令和4年度保育士実態調査報告書の結果です。保育士の退職理由のおよそ4割が職場の人間関係によるものでした。雇用形態別でみても、いずれの形態でも職場を辞めた理由の第一位が職場の人間関係でした。
世界的なビジネス思想家ジム・コリンズが提唱した「何をするかよりも誰とするか」という格言があります。これはビジネスを成功に導くための考え方ですが、どの業界どの職種にも当てはまることなのかもしれません。

なぜ人間関係が悪くなる?

そもそも保育士間の人間関係が悪化する要因はなんでしょうか?保育園に限らず組織内で人間関係が悪くなる根本的な原因はコミュニケーション不足によるものです。保育士に限って言えば、コミュニケーション不足を引き起こす特有の原因が職場環境にあるので紹介します。

シフト体制によるコミュニケーション不足

保育園の勤務体制はほとんどがシフト勤務体制です。時差勤務のため職員全員が集まることは難しく、休憩時間に何気ない会話がしづらい環境です。意識して時間を作らないとコミュニケーションを取ることが難しく、コミュニケーションエラーが起こりやすい環境です。

コミュニケーションエラーとは

コミュニケーションエラーとは、コミュニケーション不足によって生じる様々なミスを指します。例えば、情報を伝えた保育士と情報を受け取った保育士との間で解釈のズレが生じることもその1つです。解釈のズレがあると仕事上でミスが起こりやすくなります。そのようなミスが何度か発生すると、その保育士とはコミュニケーションを取らなくなり(取りづらくなり)、人間関係の悪化に繋がっていきます。

業務多忙によるコミュニケーション不足

保育士の仕事は子どもたちと直接関わる時間が大半ですが、それぞれの園児に関して記録を行ったり、保護者との連絡のやりとりを行うなど、事務的な仕事もたくさんあります。こうした業務の忙しさから、職員間でのミーティングや話し合いを行う時間が取りづらい職場環境といえます。

人員体制によるコミュニケーション不足

基本配置に対してぎりぎりの職員数で運営している保育園では、会議の時間などを確保するのは非常に難しいです。月1回程度の定例会議を持つことが精いっぱいな保育園もあります。

参考(職場環境づくりの課題)

図は厚生労働省「令和3年度保育所等における子育て支援の在り方に関する研究会報告書」を基にべあぷりが作成したデータです。子育て支援に関連して行われた調査結果ですが、保育士の職場環境の実態を表しているデータといえるでしょう。

人間関係が良い職場って?

べあぷりが考える保育士にとって良い職場(=働きやすい)とは、保育士同士や上司との間でオープンで相談しやすい環境が整っている、と考えます。相談しやすい環境は、仕事に対する不満や悩みを率直に話し合い、解決策を一緒に見つけ出すことができます。また、職場のメンバー同士が信頼し合い、協力し合える雰囲気があれば、業務の効率化やストレスの軽減にもつながります。

相談しやすい職場環境にするために

ここからは職場で相談しやすい環境を整えるための解決策を紹介していきます。

コミュニケーションツールの活用

保育士の多忙な職場環境では、直接対面でのコミュニケーションが難しい場合があります。そこでコミュニケーションツールを活用することが重要です。メール、チャットアプリ、または共有ドキュメントなどのツールを使用して、重要情報の共有や保育士間のコミュニケーションを図ります。コミュニケーション不足による解釈のズレを減らし、保育士間の連携を強化することができます。こども家庭庁のホームページでもICTを導入して効率的な園運営の事例が紹介されているので是非ご覧ください。

定期的なミーティングの実施

保育士同士が直接会話をする時間が限られている場合でも、定期的にミーティングを実施することは大切です。ミーティングでは、日常業務や問題点、アイデア、提案などを共有し、チーム全体で協力して解決策を見つけることができます。ミーティングは短時間で効率的に行われるように計画し、保育士全員が参加しやすいような環境を整えましょう。

【園長や主任など管理者向け】1on1ミーティングのすすめ

1on1ミーティングとは、部下の育成やモチベーション向上のために行われる、上司と部下による1対1の定期的な面談のことを指します。働き方や価値観の多様化を背景に、1on1ミーティングを導入する会社が近年急速に増えています。札幌の保育士向け研修でも題材として取り上げられたこともり、聞いたことがある市内の保育士さんも多いでしょう。
1on1ミーティングの頻度は週1回~月に複数回、1回あたり15~30分程度の短時間で行います。主役はあくまでも部下、話す内容はプライベートからキャリア支援と様々です。上司(園長や主任)と部下の信頼関係を築き、部下のモチベーションの向上や保育士としてのキャリア成長を促します。

感謝や賞賛を伝える

当たり前なことですがこれが一番できていないのではないでしょうか。保育士に限ったことでもありません。
まずは保育士同士がお互いに感謝や称賛を伝えることを意識的に実践しましょう。良好な人間関係を築いたり仲たがいを解消には、お互いを思い遣る気持ちがとても大切です。自分を中心に物事を考えたり相手を否定したり批判せず、相手への少しの心遣いで相手との関係は変えられるはずです。

参考(職場環境づくりの工夫)

円滑なコミュニケーションを図るため、保育園も様々な工夫を行っています。限られた時間の中でどうやってコミュニケーションを取るかが一番の課題といえるでしょう。

相談しやすい職場環境づくりの工夫一覧

  1. 組織的対応
    ・主任・副主任保育士が率先して、休憩中などに声を掛け合ったり、風通しの良い環境づくりを心掛けている
  2. 会議の開催、話し合いの場の設定
    ・午睡の時間中に報告、相談する流れを作っている
    ・毎月1回雑談会を行っている
  3. メンター・チューター制度の導入
    ・新任保育士には指導員をつけてなんでも相談できる体制をつくっている
    ・メンター制度を導入し話し合いやすい環境をつくっている
  4. 連絡ノート、ホワイトボード等を活用した情報共有
    ・仕事の悩み、困っていること等に関して、情報共有できるよう保育者間で連絡ノートをつくっている
  5. 複数担任制等
    ・休憩時間を一緒に取れる体制を取り、相談を受けたり助言を行っている
  6. 休憩時間・場所の確保
    ・保育室とは離れた場所に休憩室、相談室を設け、個別に話ができる環境をつくっている

まとめ

職場の人間関係は仕事の充実度や満足度に大きな影響を与えます。良好な人間関係を築くためには、コミュニケーションを大切にし、相談しやすい環境を整えることが重要です。特に主任や副主任などマジメント層の保育士の皆さん!今一度職場の雰囲気やコミュニケーションの在り方を見直し、より良い職場環境を作り上げる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

参考記事

厚生労働省「令和3年度保育所等における子育て支援の在り方に関する研究会報告書