春の進級時期は子どもたちにとって大きな変化です。新しいクラスや新しい担任との出会い、環境の変化に戸惑い、子どもたちが不安定になることがあります。保育士として子どもたちが新しい環境に慣れるためにはどのように接すればよいのでしょうか?本記事では進級時に子どもたちが不安定になった場合の対処法を具体的に解説します。保育士として子どもたちの不安を少しでも和らげられるようサポートしましょう。
進級時に子どもが不安定になりやすい理由
春の進級時期は子どもたちが新しい環境の変化に戸惑い不安定になることがあります。この時期はどのように対処してよいのか迷ったり、試行錯誤している保育士さんも多いことでしょう。まずは子どもが不安定になりやすい理由から押さえていきましょう。
- 前担任と離れて寂しさや心細さを感じている
- 保育室などの環境が変わり、場所見知りをする
- 保護者の転職・転勤など家庭環境の変化がある
子どもが不安定だと感じたら
4月の進級時期に子どもたちが不安定になりやすい理由を理解したところで、次はその不安を和らげるために押さえておきたいポイントをまとめました。
子どもに関する引継ぎの確認

まずは子どものことを知ることから!前年度の担任からの引継事項を再度チェックしましょう。
成長発達や家庭環境、健康状態はもちろん、好きな遊びなど具体的なことの把握に努めましょう。
わからないことや気になることがあれば前の担任に聞きましょう。特に4~5月は旧クラスの子どもたちにも気をかけて、新しい担任とこまめに情報交換を行うことをおすすめします。
子どもの不安を受け止める

子どもたちの不安な気持ちを受け止めることが大切です。慣れない環境に不安を感じるのは当然です。子どもの感情に寄り添い、「大丈夫だよ」「先生が一緒にいるから安心してね」など安心を与える言葉がけを意識しましょう。
遊びながらスキンシップをとる
子どもたちと一緒にとにかく遊びましょう。室内遊び、戸外遊び、その子の好きな遊び、なんでも構いません。楽しいあそびを毎日満喫できるようにしましょう。進級して担任や保育室などの環境が変わっても、大好きな遊びで子どもたちは安心してきます。
また遊びの中ではハグや抱っこなど、子どもたちとのスキンシップを積極的に図りましょう。そして楽しいときには一緒に笑い、悔しいときは「くやしかったね」「頑張ったね」と子どもたちと共感することが大切です。子どもたちとの関係を密にとることで新しい環境への不安は徐々に解消されていきます。
保護者とコミュニケーションをとる
進級時や新年度のスタート時期は、保護者も新しい環境に子どもが馴染めているか不安に感じています。そんな保護者のサポートも忘れてはいけません。送迎時や連絡帳などを活用し、こまめにコミュニケーションをとりましょう。
一方で、子どもたちの不安の原因を保護者との会話から探ることもできます。おうちではこういう話をしているなど子どもたちがまだ園では言えていなかったり見せてくれない本音が隠れていることが多いものです。
園内での連携を密にする
保育士同士のサポートも大切です。前年度の担任と情報共有したり、経験豊富な先輩保育士からアドバイスをもらいましょう。より効果的な対処法が見つかるかもしれません。園内での情報共有や助け合いが不安定な子どもたちを支えることにつながります。
【具体的なエピソード紹介】安心できる雰囲気を心がけよう

ここでは具体的なエピソードを紹介します。慣らし保育の期間中、子どもがおやつやご飯をなかなか食べてくれないと困った経験はありませんか? 入園早々に子どもが食べない状況が続くと体調不良に繋がりやすく心配になりますよね。保護者と園の信頼関係にも影響するので、保育士としてはなんとか食べてほしいところです。それではエピソードを見ていきましょう。
| 登場人物 | 保育士、Aちゃん(9ヵ月)、Bくん(3歳)の3人 |
|---|---|
| 状況 | Aちゃんは入園したばかりで園の環境にまだ慣れていません。保育士が離乳食を食べさせようとしても横を向いて食べてくれません。 無理もないと保育士がやめようとしたとき、赤ちゃんに興味があってたまたま乳児室にやってきたBくんが「ぼくが食べさせてあげようか?」と声を掛けてきました。 |

(心の声)
なかなか食べてくれない・・・
どうしよう・・・
お腹は空いているはずなのに。

ヤダヤダヤダ・・・

ぼくが食べさせてあげようか?

(心の声)あら・・・
(気持ちにゆとりがうまれる)
スプーンをAちゃんのお口に近づけてあげると、Aちゃんが食べたいと思っているときは、自分でパクっとするからね

わかった~!
あ!Aちゃん食べてくれた!

(心の声)もっと食べさせて~!

BくんのおかげでAちゃんの緊張が解けて安心して食べてくれたのね。
子どもが園で食事を食べてくれないと、保護者も心配したり不安を感じるものです。保育士は保護者のことを気にしたり、限られた保育時間の中でご飯を食べさせようと焦りを感じるようになります。その焦る気持ちを子どもは感じ取ります。このエピソードでは、Bくんの存在がAちゃんだけでなく、保育士の「食べさせきゃ!」という焦りの気持ちを解いてくれたことで、Aちゃんが心地よさを感じて安心して食べることができるようになりました。
それぞれの子どものペースを尊重しながら、安心できる雰囲気や心地よさを感じるかかわりを心掛けたいですね。
まとめ

本記事では進級時期の子どもたちの不安を和らげる方法を解説しました。園生活において大切なのは保育士と子どもたちとの信頼関係をつくることです。保育士が子どもたちにとって信頼できる存在であれば、「先生に会いたい!」と、毎日の園生活が楽しくなります。とはいえ子どもとの信頼関係は一朝一夕に構築できるものではありません。日々こどもたちの気持ちに寄り添い温かく接することで、少しずつ信頼関係は育まれていきます。焦らずにじっくり子どもたちと向き合い見守っていけるとよいですね。

